「重要」か「大切」か、それが問題だ

今、懸命に取り組んでいることが、君にはあるでしょうか?

報われているかもしれないし、報われないかもしれない。

いずれにしても、何らかの信念をもって、きっと努力を続けているでしょう。

今の世の中は、コスパだなんだと、何かと「効率」に価値が置かれることが多いです。

果ては「タイパ」なる言葉まで出て、時間当たりの生産性に価値を置くようにもなりました。

そして、ここでの価値とは、多くの場合は「お金」です。

 

「お金よりも大事なものがある」

実に陳腐な言葉だと、僕も思います。

なぜなら、この言葉には、たいてい「ウソ」が混じっているから。

お金はお金で大事で、それを求めることは汚くもなければ卑しい事でもありません。

けれど、稼げていない、その一点への”言い訳”としてこの言葉をどこか使ってはいないか。

本来、自分が大切にしている価値とお金は、並列関係ではあっても対立はしないはずです。

そもそもの単位が違うのだから、比較はできない。

 

では、ここでいう単位とは何か。

それが「大切」か「重要」かではないでしょうか。

 

先日、私が所属するトラストコーチングスクールの「プロフェッショナルコーチトレーニング」がありました。

第5回から参加していて、今回が第7回なので、3回目の参加です。

「大切」か「重要」か。

参加したからと言って、何かの肩書が手に入るわけでもないし、お金がもらえるわけでもない。

はたから見たときに、「コスパ」「タイパ」の観点でいえば、たぶん相当に悪い。

コーチを志して10年。

「サンクコスト」と言われたこともあります。

そう言う人の中で、「なんでやってんの?」と聞くことはあっても、僕が、この場で学ぶことにどんな価値を見出し、どんな関係を積み重ねてきての10年なのか。

その歴史に敬意を持ってくれる人はいませんでしたね。

お金を稼ぐために、いわゆる「成功」なるものを手にするために、重要度の高いことはもっと他にもあるし、「論理的」に考えたら、僕の選択は理屈に合わないことばかりなのは、おそらく事実でしょう。

けれども、そうした「重要度」の高いことを脇においても、自分の中で大切にしたいものがこの場にあるにすぎません。

それが何なのか、仮に辞めたとしたら、「自分を裏切ったような気持ちになる」としか今は言えません。

 

というのも、10年やってきて、実は10年目のライセンス更新の時に初めて、「辞めるかどうか」を迷った自分がいたんです。

本当に初めてのことでした。

学び続けることの苦しさを覚えてしまったんですよね。

だけども、はたとそこで考えたわけです。

「ここで辞めて、後悔することにはならないだろうか」

いや、後悔ならまだいい。

「辞めることは、自分への裏切りだろう。裏切りは、自分自身への信頼を断ち切ること。たぶん、人として色んなことを諦めることになる」

大切の「切」は「切る」の意ではなく、「身に迫る」「自分に近い」の意らしいです。

コーチングがというよりも、TCSで学ぶこと、活かすことが、自分に近い原動力になっていることに改めて気づけたのでした。

 

漢字的な意味でいえば、「重要」も「大切」もほぼ同じ意味だし、お互いにお互いの意味を兼ね備えています。なので、自分なりの定義の問題です。

ただ、少なくとも、他者からしたら重要なことが違うことでも、大切さの観点で僕には切ることができなかったのがコーチングであり、TCSなのです。

 

きっと、人から何と言われても、自分の内側から突き上げてくる「大切なんだ」という価値観が原動力となってやれることがあるんじゃないかと思うのです。

僕らは、恐れ多くも、他者の人生に関わろうとする人間です。

そんな人間が、一般論や自分の価値観に根差した重要度を振りかざして、相手のやっていることの背景、歴史、想い、それらに敬意や理解を示すことなく関わることなど、きっと許されません。

そのためには、自分にとっての大切なことを、自分自身が裏切ってはならない。

重要なことを優先することがダメって意味ではもちろんありません。

ただ、色々なものがAIに置き換わり、効率至上主義な世の中にあるからこそ、内なる「動機」に耳を傾け、大切なことを大切にすることを考えてみることに、人としての営みの一端があるように思えます。

 

精進しよう。

 

 

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

TCS認定コーチ | 半径10mの人間関係を良くしてご機嫌な毎日を送るコーチング|人生の目標も悩みもコーチングの力が役立ちます| 人間関係と父親コーチ視点で子育ての発信をしていきます。|軽井沢とスポーツをこよなく愛している2児の父です。